ビニール袋で手早くできる!
野菜のうまみが活きる漬け物

 漬物は、「桶と重石を使う」という概念をはずし、ビニール袋を使って簡単にお漬物を漬けてみませんか?今回の本は、なんと全国の書店でもご覧になれます!

 嫁ぐまでは、「ただ食べるのが好きだった」私。平成6年の秋、初めて新関家に遊びに来た日、義母が青菜漬けをお茶請けに出してくれました。実家の母も自家製に漬けていましたが、新関の母の漬ける青菜漬けは、緑が鮮やかで見た目も最高においしそう!そして、漬け物好きの私ですから、「こだなものしかないけど、食べてけろ(こんなものしかありませんが、どうぞ!)」と言われ、(山形の人って謙遜するんですね。)すぐに箸をつけました。
 サクサクとした歯ごたえといい、味といい、今まで食べた青菜漬けの中でも一番の味でした。あまりのおいしさに3度食べましたが、さすがに遠慮し4度目はあきらめました。これが、今後の人生を大きく変える瞬間とは露知らずに・・・。
 そんな縁もあってか、次の春、新関家に嫁ぎ、義母にいろいろと教えてもらううちに、徐々においしい漬物を伝承していきたいと思うようになりました。
 こんな私でさえも、簡単に漬けられたのですから、皆さんも必ずうまくできること間違いありません。普通に料理が出来る人でしたら、漬物だってもちろん出来ますよ。私が苦労した分初心者にもわかりやすく、また普段漬物を漬けている人にとっても楽しくなるように多彩なレシピを紹介します。塩加減を割り出し、また新しいレシピも作り出しました。本書のために書きおろした「知っておきたい~おいしく漬けるためのコツ」も必見です。

伝統的なものから、現代風なアレンジを付け加えながら、「漬物は和食に。」という枠を超えて、洋食中華にもどんどんおいしい漬物を加えていただきたいと思います。今回は新しいレシピを書き加え、漬け物の食材として、一般的な「きゅうり」「なす」「白菜」「大根」のレシピはもちろん、「パプリカ」「セロリ」などの洋野菜まで幅広い野菜を使った楽しい漬け物レシピ72種類と覚えておきたい塩蔵の知恵レシピ2(塩蔵きゅうりの漬け方と塩蔵わらびの作り方)の計74のレシピを載せてあります。

本を手に取った方が「写真がきれいだね!」との第一声をあげるすばらしい写真!本の要となります漬物の写真は、同じ東北の杜の都「仙台市」在住のフードスタイリスト兼カメラマンの牧野純子さん(牧野さんの作品はこちら)に撮って頂きました。元々おいしいもの大好きの牧野さんの手にかかると、私の漬け物がスタイリッシュに変身!牧野さんの女性ならではの暖かいまなざしとセンスによって、食欲をそそる、思わずすぐに作ってみたくなる素晴らしい写真の数々。和の感覚の漬け物を、洋の世界にまで幅を広げさせてくれました。食べ物は、ライトアップするよりも自然光が一番おいしくなると天気を見ながら、ランチョンマットや小物の位置も細かく計算したすばらしい写真。ぜひ、こんなところにも注意して見て頂けたらなって思います。

「ビニール袋で手早くできる野菜のうまみが活きる漬け物」では、漬け物を色よく、味よく漬けるために、「基本のつけだれ」(P120)を用意すると便利ですと書いてあります。
白だし醤油300mlみりん100ml酢10mlを混ぜたものを、500mlのペットボトルに作り置きし、冷蔵庫に保存しておきます。これを塩を共に少量使うことで、浅漬けや、古漬けを漬ける時に使うと「万能の漬けだれ」になります。
でも、白だし醤油、みりん、酢を3本そろえるのはめんどくさいといわれる方に朗報です!
長年、白醤油やみりんなどの素材を吟味し、配合を考えた私の自信の「基本の漬けだれ」~「魔法のたれ」。
この「魔法のたれ」さえあれば、おいしい漬物を今すぐに漬けることができますよ!

「さとみの漬物講座」を出版してから3年。朝から晩まで青菜漬を漬けていた2008年(平成20年)12月のある夕方。PHP出版と名乗る方から「新関さんは本を出版されていますよね。唐突ですが、ぜひうちでも本を書いて頂けないでしょうか?」との電話。
一日中、重いものを持ち、冷たい水作業でヘトヘトの私には、「振り込め詐欺」としか思えませんでした。
この電話がきっかけで、翌年2009年(平成21年)9月に私の代表作「ビニール袋で手早く出来る野菜のうまみが活きる漬け物」全国出版となりました。
増刷を重さね、2014年(平成26年)夏にはなんと14刷の大ヒットです。